目の前の壁をひとつひとつがむしゃらに越え続けていたら、気がつけば登山で言うところの9合目まで来ていた。
このまま登り切って山頂から朝日を見ようよ!
そんな気持ちでスタッフに話しかける。
マ「山頂で一緒に朝日を見ようよ。」
ス「わたしは…。」
一緒に駆け回ってきたスタッフが口を開く。
ス「わたしは、9合目からの朝日も充分楽しめるタイプ」
マ「おいっ!!全然違うんだから。9合目で帰るのと山頂まで登った達成感は。」
ス「眺めは大体一緒よ。」
いつの間にか話がすり替わり、いつもの小競り合いが始まる。笑
今ここでやらなければ「やらなかった。」という記憶だけが残る。
やっぱり諦めきれなかった時に、また同じエネルギーをかけて、またこの軽井沢という場所で同じことを繰り返すのか。
そんなエネルギーはない。
今やらないなら、もうやらない。
とはいえスタッフの子どももまだまだ小さい。
本当にできるのか。
わざわざ今やらなくてもいいんじゃないか。
そんな思いも頭をよぎる。
そんな中、今でも鮮やかに記憶に残るスタッフとの会話を思い出す。
それは1年前のあの会話。
今じゃなくていいじゃない。もっと子どもが大きくなってからにしなよ。子育てしながらお店をやるって本当に大変なことなのよ。私からのアドバイスに、
ス「今やりたいの!」
スタッフの中でも家庭と子育てと自分の成長と。
いろんな葛藤があったに違いない。
同じ女性として、その気持ちはとてもよくわかるし、そんなチャレンジしたいママさんのために作ったのがこの会社なのだ。
あの時の「変わりたい」という熱い想いを、後押しできる時がきた。
1年かかっちゃったけど。
ここでやらなければ私も、彼女もきっと後悔する。
やるか。やらないか。
土壇場になっても気持ちは大きく揺れていた。
なかなか心が決まらない中、何度も繰り返したあの質問を投げかけてみる。
マ「ホントにやるの?」
ス「やるわよ!」
彼女の心は決まっていた。
マ「じゃあ…やるか!!」
店舗の契約を終え金沢に帰り、取引先の皆さんに電話をする。
題して、オトモダチ紹介してよ大作戦!笑
軽井沢で取引先を探して行くには時間がないので、金沢の取引先の皆さんに軽井沢近辺で働いている同業他社を紹介してもらう大作戦に打ってでる。
設備系はゼロからの打ち合わせはキツいから…最初の納品だけ軽井沢まで持って来てー。と泣きつく。
設「いーけど、フライヤーは今日発注しないと間に合わないみたいよ。あと1ヶ月で搬入でしょ?」
マ「…ヤバいじゃん。」
ピンチは続くよどこまでも…
つづく