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読売新聞様掲載記事全文

働くママに安心の「輪」

パチパチ、ジュワー。

金沢市三馬にある木目調の外観のドーナツ店「金澤RichmondDOUGHNUT(リッチモンドドーナツ)」の調理場に能登野菜・中島菜を混ぜた生地が油で上がる心地良い音が響いた。

3分後、緑色のドーナツがこんがり揚がると、甘い香りが広がった。

生地には、能登塩などを使用。

加賀野菜・金沢春菊を入れたり、珠洲の大浜大豆きな粉で作ったきな粉をまぶしたりして、これまで約150種類を考案してきた。

栄養満点で、防腐剤や保存料を添加しておらず、妊婦やママたちから人気だ。自らも娘がいるだけに、「子供に安心して食べさせられるものを提供したい」と強く意識している。

県内の専門学校を卒業後、ウェディングプランナーとして群馬県などで勤務。地元に戻ろうと、30歳を前に金沢の出版社に転職し、グルメ雑誌の編集長として北信越地方の飲食店の取材や営業活動に明け暮れた。

転機となったのは、2015年仕事を通じて知り合った写真家との結婚だ・働くお母さんのために何ができるかを考え始め、子供も授かった。「手作りのお菓子を子供に食べさせたい。それで忙しいお母さんのためドーナツを作ってみよう」と思い立った。

仕事で知り合った店から器具を譲り受け、同年6月、手作りドーナツ製造店をオープンした。当初は一般的なドーナツだったが、「地場の食材」をテーマに据えようと、野菜などが持つ本来の味が引き出せる調理法を生産者から学び始めた。

1作目の「サツマイモを使ったドーナツ」には、弱火でじっくり蒸したサツマイモを使用。混ぜ方を2回に分けて、イモ特有の食感を出すように工夫を加えた。約1年の試行錯誤の末に完成させた。独自の視点が評判を呼び、1年後、店でも売り始めた。

今では、様々な農家から売り込みがあり、15種類近くの地場野菜を使う。形が悪くて市場の規格外となった野菜を使う取り組みが高く評価され、昨年12月には、「いしかわエコデザイン賞」で金賞を受賞。「自分の予想よりも多くの人が見てくれている」と手応えを感じている。

長女は1歳になった。現在約50平方メートルの店の一角に子どもの遊び場を設け、仕事中でも子供と一緒に居られるようにしている。

以前、出産後の復職が難しい職場にいただけに、従業員の子供も預かれるよう整え、子育てをしながら色々なことに挑戦できる職場づくりも心がける。

「従業員とお客さんの両方が心が豊かになる場所にしたい」。〝看板娘〝とともに、これからも石川の働く女性を応援していく。

 

2018年1月15日読売新聞 ひと模様掲載記事